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日本語版製作にあたって

日本有機農業研究会科学部

 先日、農水省が発表した生産者米価は13000円ほどで、生産に掛かる費用は16400円ということです。また、現在の農業の担い手は平均年齢は65歳。高齢者が赤字を出しながら農業を続けるのはもう限界です。現在兼業も含めて300万人といわれる農業者は、ここ数年で激減すると見られています。そうなれば、農業を担うのは誰でしょうか。

●悪循環は大規模農業の宿命

 政府が、検討しているのは、企業または集団による大規模農業です。しかし、大規模機械化をすると、どうしても単一作物の作付けになり、病虫害が出たとき、天候異変があったときなどに大きな被害を受けることが多くなります。このような農業を支えているのが、大量の農薬化学肥料ですが、毎年同じ除草剤、殺虫剤、殺菌剤を使い続けると雑草や害虫・微生物に抵抗力ができてきます。そして、新薬の開発⇔抵抗力という悪循環に陥り、その間農薬の使用量は増えるばかり。環境はどんどん汚染されてきました。この流れの中で、種子と食料支配を目標に開発されたのが、特許で武装した遺伝子組み換えの除草剤耐性作物(除草剤をかけても枯れない)、殺虫性作物(作物自体が殺虫剤)です。これについては、本編でも詳しく触れていますが、このような有害作物の開発は機械化した化学農業の宿命といえます。

 そして当然のことながら、既に草も昆虫もこれらに抵抗力をつけたものが確認されていて更なる悪循環が始まっています。それも、これまでにない遺伝子変異を伴っての悪循環です。

●地元に根ざした生産と消費のつながりを

 私たちが目指すのは、自然の摂理に則った農業であり、そのようにして栽培された食料を得ることです。ここに有機農業の原点(天地有レ機)があります。そして、地元に根ざした生産と消費のつながりです。身土不二(身体と土は一つのもの)を原則として展開して来た日本の有機農業運動が、アメリカに渡りCSAとして発展し化学農業に代わるものとして期待されています。これがカリフォルニア州内では、多くの支持を得て遺伝子組み換え作物の排除に力を与えています。

●一人ひとりが 子供たちに健康で明るい未来を

 本ドキュメンタリー映画の注目すべき視点は、これまでの遺伝子組み換え推進企業や行政の非難に終始するのではなく、それを買い支えている私たちに論理を尽くして理性に訴え、市民一人ひとりが正しい選択をすれば変えられると語りかけていることです。誰でもいつでも参加できる反対運動です。WTO体制の中で風前の灯ともいえる日本農業をどうするかも、私たち日本人一人ひとりに突きつけられた課題であることを思わずに居られません。

 いつも買い物をするとき、子供たちに健康で明るい未来を選択してあげてください。そして、あなたのそばで多様な作物を栽培する小さな有機農家を支えて頂きたいと願っています。


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ドキュメンタリー
『食の未来』と日本の現状
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解説テキスト・改訂増補版表紙
ドキュメンタリー『食の未来』を、イラストも入れてわかりやすく解説しました。遺伝子組み換え作物をめぐって映画で語られる内容、貴重な証言やデータをまとめ、日本の現状と問題を書き加えました。

『食の未来』上映会や遺伝子組み換え作物・食物の学習会のテキストとしてお使いいただける内容です。ぜひご活用ください。

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