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--- The Telluride Daily Planet
゛食べるなら、見る必要がある「食の未来」”
--- Newstarget.com
華氏農業バイテク
"Fahrenheit agbiotech"
2005年3月,23巻 No.3
遺伝子組み換え作物は、先進国市場で当初の期待と違って全くの期待はずれとなっており、今後の受け入れも定かではない。ヨーロッパの反対は強固になり、ラトガース大学その他の調査によるとアメリカの消費者は食品中のGM(遺伝子組み換え)成分に混乱と不安を持っていることを示している。米国西部の(カリフォルニアを中心とする)消費者は、工業食品に代わる物を選ぶようになっていてそれが有機食品市場の成長に現れている。「食の未来」は、GM食品を自覚した消費者が抱く主要な疑問に対し総合的に良く分かるように作られている。この映画は、農業バイテク業界とその最初の商品を鋭く攻撃している。
この映画の脚本と監督をしたデボラ・クーンズ・ガルシアは、グレートフルデッドのギタリスト、ジェリー・ガルシアの未亡人で、カリフォルニア州で盛んになりつつある反バイテク運動の中心的存在だ。この映画には、貴重な昔の映像(例えば1973年のアシロマ会議)や農業バイテクに批判的な人たちの主張や経験がまとめられている。農業政策専門家チャールズ・ベンブルック、活動家アンドリュー・キンブレルなどが、遺伝子組み換え作物を環境へ放つのを止める運動のヒーローとして登場する。
この映画の悪者は誰あらんモンサント、世界最大の遺伝子組み換え作物製造者でこの業界を代表する企業。遺伝子特許や企業の食料支配、そしてカナダの農家パーシー・シュマイザーに対する裁判を厳しく非難している。父ブッシュ政権の閣僚であったアン・ベネマンやジョン・アシュクロフトなど、モンサントとアメリカ政府高官の政治的つながりが明らかにされる場面もある。そして企業の経営幹部を食品医薬品局(FDA)、環境保護庁(EPA)、そして農務省(USDA)の高官に任命することによって政治的規制にモンサントが過剰に影響力を行使していると告発している。
非常に気懸かりなのは、監督行政や科学の基盤にヒビが入っており、そこに農業バイテク産業が巣くっていることだ。FDAが取った組み換え作物と非組み換え作物が「実質的に同等」だという政策に批判が向けられている。組み換え作物による人の健康や環境への長期的影響が十分に分かっていないと主張している。これが特に問題になるのは、遺伝子変異がより複合的になりだしたり食品が機能的に同等でなくなった(栄養補助食品)ときだ。スターリンクやプロディジーン事件が、監督行政の問題として取り上げられている。消費者の選択を可能にするように訴え、それに反対する業界が消費者を混乱させさらに遠ざけているのだとしている。消費者は、既に多少値のはる有機食品を買うことで非組み換えのものを選んでいる。
また、遺伝子組み換え作物の社会的、経済的、倫理的問題についても探っている。現在、農業と食糧生産に殆ど関わらなくなってしまたアメリカの消費者は、ほとんどが組み換え作物が食べ物の中に入っているなどと思っていないとガルシアは言う。ヨーロッパの人々が組み替え作物を拒否するのは、食べ物が彼らの文化の大事な部分を占めていて、それがどういう風に作られているのかに関心を持っているからだと。
最後に、食の未来は土地を供与された大学が企業の資金にその独自性を売っているのではないかと批判している。大学は本質的問題を探ることが期待されているのだが、今では学内で反対意見が通らなくなってきている。バイテク産業との癒着を公然と非難しているイグナシオ・チャペラと大学側との間にある任官についての闘争が描かれている。市民は、公共の利益のために大学があると考えており、真の主体性を持った視点で知的多様性を追求することでそれに応えることができるのだ。
組み換え作物に変わるものとして、ガルシアは西部(アメリカ西部、特にカリフォルニア)の消費者の多くが「最高の基準」として有機農業などの工業化の少ない農業を挙げている。また、資源を保全し、農民に恩恵があり質が高い地元で生産された物をやりとしているCSA(地域が支える農業)を紹介している。
世界を養うために組み換え作物が必要だと主張している人は、西部の消費者はそう思っていないことに気付くべきだ。調査によると、有機食品が倫理的にも感覚的にも環境的にも良いと消費者は思っている。大きな食品会社のほとんどが、この高級品志向に答えるための有機ブランドを持っている。食品加工業界や小売業界から消費者の拒否が強くなれば、食品バイテク部門を実質的に阻止するとか閉鎖することさえ考えていると、農業バイテク業界は警告を受けている。
この映画は一方の言い分だけを取り上げていることに弁解もしていないが、ガルシアの目指すところははっきりしている。近代の工業的食糧生産と遺伝子組み換え成分が食品に増えてきていることを伝えて消費者に自覚を促すことだ。「スーパーサイズミー」や「華氏9/11」と同じ路線で、食の未来は国民的議論が必要であり、食糧生産の重要な問題に関心を持つよう呼びかけている。
15年間農業バイテクの議論を見続けてきた者として、私はこの映画を歓迎する。今のブッシュ政権は、政府の監督行政を立ち枯れさせてしまっており、1992年のブッシュとクエイルが交わした「産業を拘束しない」という約束を守っている。このような近視眼的政策は、農業バイテクが米国西部の消費者に受け入れてもらうことが一層困難になっている事に見られるように逆効果となっている。
『食の未来』と日本の現状
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